へちまは、西アジア、インドが原産の植物で、ウリ科に属します。
日本には、江戸時代に琉球を経由して伝わったといい、その大きな果実の繊維を特徴とし「いとうり」(糸瓜)と呼ばれでいたそうです。
それが、次第に訛って、「とうり」(唐瓜)と呼び名を変えてゆき、最終的には、「とうり」の「と」は、いろは歌で、「へ」と「ち」の間にあることから「へちま」と呼ばれるようになった。と言い伝えられています。
いろはにほ(へ)と(ち)りぬるを。確かに「と」は「へ」と「ち」の間にあるようですが…なんだか理解に苦しむというか、こじつけた感がありますね。
語源については、他にも諸説あるようですが、じつのところ不詳ともいわれています。
つる性の植物で一年草です。5月初旬に種をまくと、7月から9月にかけて開花し、直径8センチほどの黄色い花を咲かせます。
比較的丈夫で、成長力旺盛、「つる」は3メートル以上にもなります。
花には「雄花」と「雌花」があり、受粉することにより実がなります。(同一の花ではなく、他の花に花粉が付くことを「他家受粉」といいます)。
果実は細長い円筒形で、状態が良ければ30~60センチ前後に成長します。中には2メートル近くになるものもあるようです。
やがて秋になるとひょうたん型の面長の身をつけるようになり、収穫の時期を迎えます。果実は様々な用途があり、何に用いるかで収穫の時期が違います。
へちまというと、たわし、へちま水などのイメージが強く、どうしても野菜というイメージは持てませんが、日本で最初に伝わった沖縄地方、九州の南部地方では、ゴーヤ(にがうり)と並ぶ、夏野菜の一つなのです。
本州でも、京都の赤山禅院にて古来より食用の習慣があります。ぜんそく封じの加持「へちま加持」が行われ、へちま汁などの接待が行われるそうです。